すずき(ワインショップ店主)

31歳独身男が脱サラしてよかったこと。悪かったこと。

がむしゃらに会社のために働いていると、ふとした時に思いませんか?
『脱サラしてみたいなあ…』と。

私ももれなくそういう人間の一人だったことを29歳のときに気付かされました。

特に強い理由、例えば『社会の役に立つ技術を作ってやる!』というようなものがあったわけではありません。どちらかと言えば『このまま会社に勤めて…いまの延長線上の人生を送るのか…』というものが9割でした。

おそらく前者のような起業する強い理由を持って、起業を行う人のほうが少数派だと感じます。起業資金も高く、チームや能力が不可欠です。後者の場合はパーソナルな魅力で勝負したい!という方が多く、比較的低予算で起業するように思います。もちろんどちらがいい…とは一概に言えないと思いますし、個々の人生なので成功や満足の尺度は人それぞれです。

今回はその尺度のうちの一つ、私が個人事業主として小規模脱サラしてよかったことと悪かったことを書き記しておきたいと思います。

まず悪かったことから

収入が安定しない。

です。私にとってのデメリットはほぼこれだけです。
月単位での収入が安定しません。日や月あたりのばらつきはもちろんのこと、1年単位で売り上げが出ているように見えても次の年の確証はないのです。
つまり、1年目に利益(手元に残るお金)が100万円あっても2年で平均したら50万円だった…なんてことも簡単に起こり得るということです。

きっと優秀な経営者はあるうちに使い、使った分でそれ以上を回収するのが基本でしょ?とおっしゃると思います。確かにその通りで、おおよそその通りになってしますのですが…心的負担が掛かります。これは会社員時代にはなかったものだな。と感じました。

とは言え、これからの社会は『年俸契約』や『期間契約』のような流れになってきているような気もします。そうなるといまの会社員のような感覚はなくなってきて、個人事業主感覚が強くなっていくのかなとも思います。
そうなっていく場合、早めに自身で経験出来ているのはいいことだと思います。

よかったことはいくつかあります。

意欲的になった。

お金の管理をすしっかりするようになった。

関係業者とのつながりが楽しく感じられる。

です。私は会社員時代の稼ぎとあまり変わっていませんので『儲かる』はメリットになっていません。
ただ、大きく変わったのは心の負荷が減ったことと自分らしさがより出てきたことなんだと思います。なので1番よかったことは意欲的になったことです。

どうしても会社にいた時には歯車感や自身のらしさというのは発揮しにくかったです。これは会社によると思います。
なので、独立したほうがいいのは抑圧されている方やあまりいい環境にいない方のほうが向いている(メリットを享受しやすい)と思います。

ちなみにノマドワーカーやフリーランスのWEBデザイナーなど、かなり母数が多い仕事ではなかなか独立しにくいと思います。

https://fishinthebox.net/2021/03/19/%e8%84%b1%e3%82%b5%e3%83%a9%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%aa%e3%82%89%e7%ab%b6%e5%90%88%e3%81%8c%e5%b0%91%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%a8%e3%81%93%e3%82%8d%e3%82%92%e7%8b%99%e3%81%88%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0/

その点、私が開業したワインショップは競合が比較的少なく、需要もある程度維持されている業態のように思います。

ちなみにワインショップはソムリエ資格などなくても始めることが出来ます。
WSETというワイン国際資格は実務経験などなくても、ワインの品質評価に特化した訓練及び技能が身に付きます。

https://fishinthebox.net/2021/03/19/wset%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%aa%e3%81%ab%ef%bc%9f%e3%82%bd%e3%83%a0%e3%83%aa%e3%82%a8%e3%81%a8%e3%81%ae%e9%81%95%e3%81%84%e3%82%82%e7%b0%a1%e5%8d%98%e3%81%ab%e8%a7%a3%e8%aa%ac%ef%bc%81/
WSETってなに?

話がそれてしまいましたが、脱サラして個人事業主になったよかったこと悪かったことは

金銭的な不安は残るが、それを補うほどの心の安定や意欲が手に入る

ということです。
様々な起業の形態や状況があると思いますので、一つの参考程度になればと思います。

https://fishinthebox.net/2020/09/03/post-56/

そもそも有料試飲に飲食店営業許可は必要なの?【酒販店】

酒販店やワインショップその他酒販免許を取得していて、お酒の小売りをしているところはたくさんありますよね。
お客様に試飲をさせたい。グラスで提供して角打ち風のお店にしたいなど、お店でお酒を開栓して売りたくなることありませんか?
そんなときに悩むのが飲食店営業許可の有無。私が保健所に問い合わせた(開業時)内容を記載していきます。

お酒を開栓し、有料で販売するなら必須!

グラスワイン¥500や今日のおすすめ日本酒1合¥700などメニューを設けて開栓済みのお酒を提供する場合は必須です。
私のお店もそのためだけに許可を申請しました。

無料ならいいの?

有料無料を問わず、基本的には不可。焦点はお客様自身が買ったものをそこで飲むか従業員が提供するかに焦点が置かれるようです。
ただ、カーディーラーなどでいただけるコーヒーなど飲食店営業許可なしで飲料を提供しているところはたくさんあります。ただ、グレーなので飲食店許可は取っておいたほうが無難でしょう。

脱サラするなら競合が少ないところを狙え!?ブログ的思考

これから脱サラして起業を考えている人は起業したくても何をしようか、または自分の好きなことをって需要があるのだろうか。と悩むと思います。
そんな私もいろいろ悩みましたが、ブログ的思考がとても役に立ったのでご紹介したいと思います。

ブログも起業も競合が少ないところが狙い目!

とあるブログで閲覧数を伸ばすためにはという内容が書かれていました。
そこに書かれていたのが、

競合(ほかに書いている人が少ない)していないコンテンツを書く。

ということでした。
とはいえ、まったく書いている人がいない記事というのはなかなかありませんし、ワードもなかなかありません。
しかし『あれ?この組み合わせってありそうなのに古い記事ばかりだな』…というものはたまに見かけませんか?

そのブログの閲覧数を伸ばす方法で言っていたのは『まったく新しい必要はなく、既存のものでも組み合わせや捉え方で新しくすることが出来る』というのです。

なるほどなあ…と思い、私はその発想を起業にも生かしました。
コーヒー×ワインという形でカフェとワインショップの中間のような酒屋を開いたのです。地理的にも競合がほとんどいない駅から離れた住宅地の真ん中に。
(もちろん有効人口調査も重要です)

Google検索で『コーヒー ワイン』と検索すると母数が少ないので、上位に表示されますし、そのエリアではほとんど競合がいないので『エリア名 ワインショップ』でも1位で検索結果が表示されます。
これだけでもかなり大きな恩恵を受けることが出来ます。

また、地域の情報誌や口コミなどもかなり高い効果が得られます。

既存×既存で新しいコンテンツを作る

競合がいないところを狙う

というブログ的考え方からヒントをもらった一例でした。

https://fishinthebox.net/2021/03/20/%e3%81%9d%e3%82%82%e3%81%9d%e3%82%82%e6%9c%89%e6%96%99%e8%a9%a6%e9%a3%b2%e3%81%ab%e9%a3%b2%e9%a3%9f%e5%ba%97%e5%96%b6%e6%a5%ad%e8%a8%b1%e5%8f%af%e3%81%af%e5%bf%85%e8%a6%81%e3%81%aa%e3%81%ae%ef%bc%9f/

WSETってなに?ソムリエとの違いも簡単に解説!

ワインの資格といってもさまざま資格があります。私たちがよく目にするのはレストランにいるソムリエが多いと思います。
実はもう一つ、ソムリエに並ぶワインの資格が存在するのはご存じでしょうか。

今回はそのもう一つの資格WSET(Wine&Spirit Education Trust)通称ダブリューエスイーティーと呼ばれる国際的な資格です。

WSETとは?

イギリス・ロンドンに本部を構える世界最大のワイン教育機関です。
始まりは11世紀とかなり古くからワイン商の商業組合として活動してきました。

WSETはLEVEL1からLEVEL4までレベルがあります。LEVEL4はDiplomaと呼ばれ、とにかく難関な資格として知られています。

WSETは国際資格なので英語での受験が基本ですが、LEVEL3までは日本語も選択することが出来ます。

JSAソムリエ資格とどう違うの?

前述したとおり、WSETはワイン商の組合から始まりました。ワインのセールスを啓蒙することに主軸を置いています。
変わってソムリエはワインのサービスマンとしての啓蒙活動をしている日本ソムリエ協会(JSA)とはその点が異なります。

一般的にWSETのLEVEL3の資格でJSAソムリエ資格と同等と呼ばれています。

また、ソムリエ資格は受験料と認定料を納めれば資格を保有できます。講義の受講が必須というわけではありません。しかし、WSETは講習をおよそ半年間受けることが受験資格として規定されています。
(やむを得ない場合は欠席することも可能ではあります)

実務経験は不要ということもあり、受験資格という面でも異なりますね。

さらに細かいワインの表現や捉え方の違いはこちらの記事で解説している内容が参考になります。

→ワインのWSET的捉え方とソムリエ的捉え方(すずきCellrHPにて)

WSETが活躍する場は?

いちばんはインポーター(輸入会社)でしょう。世界最大のワイン教育機関だけあって、各国の生産者もWSETを認知しています。LEVEL3と伝えると『ある程度専的なことを話しても伝わるな』と思ってもらえるので、スムースにワインの情報が聞けます。

その次は小売店です。
ワインを理論的に評価、表現するWSETは小売店との相性がいいように思います。理論的にワインの特徴や産地の特徴と整理できるので、エチケットやワインデータを見たときに味わいの想像がしやすくなります。

まとめ

大きな違いはワインのセールスマンサービスパーソンかの違いです。
私自身も両方保持していますが、違った角度からワインを見るということは非常におもしろいことです。最近では愛好家や一般の方の取得も増えてきていますね。どちらも取得するとワインが一層楽しくなるのでおすすめです。

内装工事費200万円でワインショップの内装は作れるのか。

ワインショップを始めることにした31歳です。
始めるにあたりさまざまなことを調べたり、聞いたりしてきました。そんな情報をざっくりまとめております。今後は個人事業主として活動していきます。
今回は内装費のお話。

 開業する上で、費用の大きなウエイトを占める内装工事費。私も頭を悩ませられました。そもそもの相場も分からずデザイン設計の会社の言い値になってしまうことも多いようです。
さて、200万円で作れるのかという疑問に対しては『作れる』というのが回答になります。ただし、満足のいくものが作れるかどうかは別の話です。私が200万円で依頼した時の内容を記したいと思います。

200万円でどんなことができる?

 大まかな前提条件として『12坪・スケルトン・築浅』とします。非常にざっくりですが、お許しください。200万円では壁の塗装、天井の塗装、床(塩ビマット)程度の施工しか出来ないとの事でした。
これは私としては衝撃で、ほとんど施工できないという感じとほぼ変わりませんでした。
基本的には坪あたり50万程度が相場のようで、12坪でも500万円ほど掛けると手の込んだ内装が出来るということでした。
つまり200万円ではなんとなくの雰囲気程度しか出来ない。ということです。

潤沢に施工をお願いしたいなら…

 12坪の小規模店舗でも500万円は必要なようです。(それでも私はやはり少なめでオーダーしました)バーカウンターを設置したり、照明にこだわるとそれだけで100万円程度上乗せされていくようです。また家具なども安価で見栄えの良いものを自身で探したほうが価格を抑えることができます。
しかし、ヴィンテージやレストア家具などは設計会社さまにお願いしたほうが安く購入できるようです。

【結果】200万円→300万円の予算アップをして依頼

 お店としてかかった費用は商品価格に上乗せしていかなければなりません。しかし、店舗イメージが良くないと集客自体が非常に困難になります。なので自身の販売計画とのバランスを取ることが必要です。
私の場合、高級ワインを売りたい!広めたい!という気持ちでの開業ではなく、身近にワインを感じてほしいという開業の思いなので内装費にウエイトを傾けすぎないようにしました。(欲を出すと歯止めが利かなくなります)結果として、イメージを写真や言語で伝え『300万円で出来る部分をお願いします』とオーダーをすることになりましたが、満足の結果になりました。

後日、写真または動画を公開予定です。

ちなみに、なんの人脈のない私が設計会社選びに使用したのはZehitomoというマッチングサービスです。