世界最古の文学作品「ギルガメッシュ叙事詩」にも登場する魅惑の液体…ワイン。
起源は紀元前6000年前以上と言われています。
ギリシャ神話にも登場し、ソクラテスをはじめ世界の哲学者などにも愛されてきました。
そんなワインは8000年以上も人々の生活に密着し、進化を遂げ、あまたの人々に愛好されてきました。
もちろん、こんにちの日本でもスーパーやコンビニなど至るところで見つけることが出来ます。
一言にワインと言っても、300円で購入できるものから数千万円という価格のものまで様々。中には『欲しくても売ってくれない…』というような競売に掛けられないワインもあります。
そう、その年のあの人が作ったそのワインは唯一無二なのです。
得てして、ワインにはこのような『芸術品』としての側面があります。
しかし、ワインはただの飲み物ではないのか。そんな思いを多くの方が抱くと思います。
果たしてワインは飲まなくてもいい『芸術品』なのでしょうか。
その問いに答えたワイン愛好家がいます。
ミッシェル=ジャック・シャスイユです。彼はフランスの片田舎ドゥ・セーブル県のちいさな村ラ・シャペル・バトンに生まれました。彼は1941年生まれですので生い立ちを話すと長くなってしまいます。割愛し、一言で言い表すならば『世界一美しいカーヴを持つ男』なのです。
ワインだけでなく世界の銘酒をコレクションする彼は自書である『幻のワイン100 世界最高級ワインと酒蔵(日本版名)』の中でこう言っています。
「飲めもしないボトルを保存していても仕方がないと言われることもある。(中略)もはや美味しくなくてもそれは大切な宝物にあるのである。」(参照:『幻のワイン100 世界最高級ワインと酒蔵』河出書房新社2013年4月出版)
飲むこと以上に彼は保存することに重きを置いています。そのおかげで世界に数本しかないワインが先の世代までのこるでしょう。芸術品としてのワイン、後世に残すべきワイン、彼の人生としてのワイン、そんな銘酒を100本セレクトした本がこの『幻のワイン100』です。
ワインは飲み物以外のなんでもない。そう思っていた方にはぜひ手に取ってもらいたい一冊です。
これを読み終えるころには『ワインは芸術品である』という思考がすこし理解、身近になるような1冊です。シャスイユさんのワインへの熱い想いに心動かされるはずです。